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ルームフレグランスを使いたいけれど「愛犬の健康に影響はないのだろうか」と気になったことはありませんか?
人間には癒し効果のある香りでも、愛犬と一緒に暮らす部屋でルームフレグランスを使用する際には注意が必要です。
例えば、一部の成分が犬にとって有害である場合や、強い香りが愛犬の嗅覚に影響を与える可能性があります。
この記事では、ルームフレグランスの安全性や、愛犬に与える影響を最小限にするためのポイントをご紹介します。
愛犬にとってルームフレグランスはストレスになる?
犬は昔から「鼻で考える動物」と言われています。
その嗅覚力は人間の3,000倍から10,000倍とも言われており、脂肪酸などの特定のニオイでは人間の100万倍以上も感じることができるのです。
犬にとってニオイは非常に重要なものであり、強さによってはストレスにつながる場合もあります。
特にルームフレグランスなどの香りが強いものは、犬にとって不快なものとなることがあります。
例えば、以下のような様子が見られる場合は、ストレスを感じている可能性があります。
- 香りの発生源に寄り付かない
- 鼻水や咳、くしゃみ、涙が出る
- 元気がなくなる など
犬の嗅覚力は人間の何倍もあるため、私たちが感じないような香りでも、犬にとっては非常に強烈なものとなるのです。
そのため、ルームフレグランスを使用する際には、犬の健康と快適さを考慮し、香りが強くなり過ぎないように配慮が必要です。
香りによるストレスのサインに気づこう
愛犬がストレスを感じているかどうかを見極めるのは、なかなか難しいものです。
そこで、ルームフレグランスの香りによるストレスのサインについてお伝えします。
犬がニオイでストレスを感じているときは、鼻炎や咳、くしゃみ、涙、なんとなく元気がないという様子がみられることがあります。
もし、何か新しい香りのものを使用し始めてから愛犬が不調を示すようになった場合、原因はその香りにある可能性も考えられるでしょう。
ルームフレグランスを使用する前に、少し香りを嗅がせてみましょう。
愛犬がどのような反応を示すのかを確認することが大切です。
積極的にクンクンしたり、ペロペロと口の周りを舐める仕草は、その香りを気に入ったサインと言われています。
逆に、顔を背けたり、距離をとるような態度を見せる場合は、その香りを苦手としている意思表示かもしれません。
犬に嗅がせてはいけない香りに注意
愛犬も気に入る香りであれば、ルームフレグランスを使用したいと考える飼い主さんも多いかもしれません。
しかし、注意が必要なのは、愛犬に嗅がせてはいけない香りがあることです。
ルームフレグランスでよく使用されるアロマの中には、愛犬の健康に悪影響を及ぼす成分が含まれているものがあります。
たとえば、以下の成分は愛犬の体質によっては使用を避けるべきです。
アロマ・アニス、オレガノ、ウィンターグリーン、ウォームシード・カラマス、カンファー、カシア、クローブ、サッサフラス、ジュニパー、セイボリー・タイム、タンジー、バーチ、ビター・アーモンド・ヒソップ、マグワート、マスタード、ラベンダーストエカス・ルー、ヤロー、ワームウッド など
特に、アロマ・ティーツリー、ユーカリ、ローズマリーは、愛犬の呼吸器や神経系に刺激を与える可能性があります。
また、これらの成分は愛犬の肝臓に負担をかけることもあるとされています。
愛犬の健康を守るため、ルームフレグランスを選ぶ際には、犬が嗅いでも安全な成分で作られているかを確認しましょう。
ルームフレグランスの種類と愛犬への注意点
ルームフレグランスの種類によっては、使い方次第で愛犬が安全に過ごせるものもあります。
ここでは、ルームフレグランスとして人気の高い種類と、それぞれの愛犬に対する注意ポイントをご紹介します。
アロマディフューザー
アロマディフューザーは、エッセンシャルオイルの香りを空間に拡散させる人気のアイテムです。
多くは、超音波を利用して微細なミストを作り出し、心地よい香りを部屋中に広げます。
犬にとって安全なエッセンシャルオイルとしては、ラベンダーやローズマリー、カモミールなどが挙げられます。
しかし、すべてのエッセンシャルオイルが犬にとって安全とは限らず、中には毒性を持つものもあります。
愛犬がアロマディフューザーの香りを吸い込むことで、呼吸器や消化器系に影響を与えてしまう可能性もあるのです。
また、アロマディフューザーを使用する場所や時間を考慮することも大切です。
愛犬が長時間過ごす場所には使用しないようにし、特に狭い空間では使用を控えましょう。
ちなみに、猫のいるお部屋でアロマディフューザーの使用は不可とされています。
アロマオイルの植物由来成分は、猫の体内に留まり、中毒症状を引き起こす可能性があるためです。
リードディフューザー
リードディフューザーは、ビンにアロマオイルを入れ、スティックで香りを吸い上げて空気中に拡散するタイプで、インテリアとしても美しいデザインが多いです。
部屋で香りを楽しむために人気のアイテムですが、愛犬に与える可能性のある影響について注意が必要です。
犬にとって刺激が強すぎる香りや、有害な成分を含む製品は避けましょう。
特に、揮発性有機化合物(VOC)を含む製品は、目や気道の炎症、頭痛やめまいなどを引き起こす危険性があります。
これは人間だけでなく、犬にとっても同様のリスクが考えられます。
安全な製品を選ぶ際には、成分表示を確認しましょう。
自然由来であっても、VOCが含まれていないかをチェックすることが重要です。
その他のルームフレグランス
その他のルームフレグランスには、キャンドルやスプレータイプの芳香剤がありますが、これらも愛犬にとっては注意が必要です。
たとえば、パラフィンワックス製のキャンドルは燃焼時に有害物質を発生させることがあります。
これは犬の健康に悪影響を及ぼす可能性がありますので、使用する際には注意が必要です。
また、強い香りのスプレータイプの芳香剤も犬にとっては刺激となることがあります。
犬の嗅覚は私たちの数倍も鋭敏であり、強い香りは彼らにとってストレスや健康問題を引き起こす可能性があります。
そのため、スプレータイプの芳香剤を使用する際には、犬の近くで使用しないようにするか、十分な換気を行うことが重要です。
愛犬との暮らしでルームフレグランスを使用する際のポイント
愛犬との暮らしの中でルームフレグランスを使用する際は、愛犬にストレスを与えないよう、配慮する必要があります。
ここでは、5つのポイントをご紹介します。
愛犬に優しい香りを選ぶ
愛犬にとっても快適な環境を作るためには、愛犬に優しい香りを選ぶことが大切です。
例えば、ラベンダーやカモミール、ジャーマンカモミールなどのエッセンシャルオイルは、犬のリラックス効果があると言われており、愛犬が安心してくつろげる環境を作り出すのに適しています。
ただし、これらのエッセンシャルオイルを使用する際でも、香りが強すぎないように考慮する必要があります。
香りの強さは控えめにし、愛犬が不快感を感じることのないように心掛けましょう。
適量を守る
愛犬と一緒に暮らす部屋でルームフレグランスを使用する際、適量を守ることもポイントです。
ルームフレグランスの多くは、パッケージに使用量が記載されています。
これは人間の使用を想定した量ですが、犬がいる家庭ではさらに少なめにすることをおすすめします。
香りの量は少なめを心がけ、愛犬が過度に刺激を受けないように配慮しましょう。
換気を行う
フレグランスの香りが長時間部屋にこもってしまうと、愛犬に負担をかけることなりかねません。
そのため、換気を行い、お部屋の空気を入れ替えることが大切です。
定期的な換気を心がけることで、お部屋の空気を清潔に保ちながら、ルームフレグランスの香りを楽しめます。
また、扇風機やエアコンを使っても効果的です。
ただし、エアコンの風が愛犬に直接当たらないように注意しましょう。
愛犬の様子を観察する
愛犬が香りにどのように反応するかを観察することも重要です。
ルームフレグランスの香りに興味を示し、リラックスしているようであれば、ストレスを感じていないと言えます。
しかし、愛犬が不快そうな表情を見せたり、咳やくしゃみをしたりする場合は、使用を控えるべきです。
また、愛犬の様子を観察する際には、長時間にわたって観察することが重要です。
香りに対する反応は個体差があり、愛犬によって異なることがあります。
そのため、一度の観察だけで判断するのではなく、複数回にわたって観察することが望ましいです。
愛犬が違う場所へ移動できるようにする
ルームフレグランスを使う際は、愛犬が香りの範囲から離れられるように、別の部屋や安心できる場所へのアクセスを確保してあげましょう。
例えば、ドアを開けておく、別の部屋にお気に入りのおもちゃやベッドを置くなど、愛犬がリラックスできる選択肢を与えることが大切です。
これにより、愛犬は自分にとって快適な環境を選ぶことができ、ストレスフリーな生活を送ることができるでしょう。
ルームフレグランスと合わせて行いたい消臭対策
ルームフレグランスは、愛犬がいない部屋で飼い主さんだけが楽しむために使用するのがおすすめです。
愛犬が過ごすリビングルームなどのニオイが気になる場合は、ルームフレグランスを使用するだけでなく、消臭対策を行うことが有効でしょう。
定期的な換気
まず基本となるのは、定期的な換気です。
新鮮な空気を取り入れることで、愛犬のニオイやトイレ臭などを軽減できます。
在宅時間が長い場合は、1~2時間ごとに10~20分程度の換気を心がけましょう。
ブラッシングとシャンプー
愛犬のブラッシングは、被毛に付着した汚れや古い毛を取り除き、体臭を抑える効果があります。
また、月に1〜2回のシャンプーは、皮膚の健康を保ちながらニオイを減らすのに役立ちます。
ただし、シャンプーの回数が多い場合や生乾きのまま放置する場合、逆効果になってしまうため注意が必要です。
クエン酸や重曹を利用した掃除
クエン酸や重曹は自然由来の消臭剤として効果的です。
水に溶かしてスプレーボトルに入れ、フローリングや壁を拭くことで、ニオイを中和しましょう。
「ナチュラル重曹消臭スプレー 犬用」は、食品添加物の重曹(ふくらし粉の原料)と水のみで構成されており、ペットの口に入っても大丈夫な消臭剤です。
弱アルカリ性で、特に皮脂やトイレなどの酸性のニオイに強く、愛犬の体に直接かけて使用することもできます。
消臭グッズの活用
市販されている消臭グッズも有効です。
特にペット用の消臭剤は、犬特有のニオイを吸収するのに役立ちます。
選ぶ際は、愛犬に安全な成分で作られているかを確認しましょう。
たとえば「I Love Pet」は、弱酸性でやさしい使い心地の消臭スプレーです。
ニオイに敏感なペットに不快感や違和感を与えない無香料なので、安心して使用できます。
また、愛犬のトイレ臭が気になる場合は、「シャンメシャン スーパー脱臭スプレー」もおすすめです。
スプレーした瞬間からアンモニア臭が消え、臭い戻りも一切なしの優れもの。
私たちが飲んでいる水道水の浄化剤として成分を応用しているので、愛犬が舐めてしまっても安心です。
愛犬のアイテムの洗濯
愛犬が使うおもちゃやベッド、タオルなども定期的に洗濯しましょう。
これらに染み付いたニオイが部屋に広がることを防ぎます。
消臭対策の観点からすると、ベッドやクッションはカバーを取り外して洗えるものがおすすめです。
ただし、香りの強い洗剤、柔軟剤は使わないように注意しましょう。
食事の管理
愛犬の食事もニオイに影響すると言われています。
消化しにくい炭水化物や穀物を多く含む食事は、便臭を強くすることがあるため、消化が良く、ニオイを抑える食事を心がけましょう。
愛犬のニオイ対策には、高たんぱく質な肉が原材料のフードや、グレインフリーのドッグフードがおすすめです。
愛犬の安全を考えてルームフレグランスを使用しよう
ルームフレグランスを使用する際は、愛犬の安全性や快適性に配慮しましょう。
犬の嗅覚は人間よりも遥かに敏感であり、強い香りがストレスや健康問題を引き起こす可能性があります。
愛犬に優しい香りを選び、適量を守り、定期的な換気を心がけることが重要です。
また、愛犬が香りにどのように反応するかを観察し、ストレスのサインに注意を払いましょう。
愛犬が安全で快適に過ごせるよう、ルームフレグランスの使用は飼い主さんの配慮が求められます。
愛犬の幸せと健康を第一に考えた選択をすることが大切です。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
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