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猫にとって、加湿器は必要なの?と疑問に思っている飼い主さんは多いと思います。
結論からいうと、生活環境において加湿器は必要なアイテムになります。
そこで今回は、愛猫にとっての加湿器を使用する際に知っておいてほしいポイントを解説していきます。
猫にとって快適な湿度とは
愛猫と一緒の生活空間で暮らす中で、その日の気候によっても変動がしますが快適な湿度は50%前後です。
この湿度は、互いに不快感なく過ごせる湿度のめやすになり、わたしたち人間が不快に感じる場合は猫も同じ可能性があります。
こまめに湿度や温度をチェックできるように温度湿度計を設置しておくことをおすすめします。
なぜ、湿度を調節する必要があるのか
猫が快適に過ごせる湿度は50%前後とお伝えしましたが、湿度が低すぎるまたは高すぎることも猫にとってはよくありません。
一緒に過ごす猫のために湿度管理をしてあげることは、とても重要になりますので説明します。
〜湿度が低すぎることによる猫へのトラブルとは〜
湿度が低すぎてしまうと、猫にとって以下のトラブルが考えられます。
・ウイルスに対する免疫力の低下
湿度が40%以下の環境下だと、空気中のウィルスは活性化します。
湿度が低すぎることによりウイルスが活性化するだけではなく、鼻や喉などの粘膜も乾燥してしまいます。そのため、ウイルスに対する免疫力も下がってしまう可能性が高くなります。
また、猫喘息(ねこぜんそく)などの呼吸器トラブルがある猫は注意が必要です。
・皮膚のバリア機能低下
暖かい部屋にずっといると、顔や手の皮膚がカサカサした経験はないでしょうか?これは、細菌や異物の侵入を防いでくれる皮膚の表面にあるバリア機能である角質層という部分が、乾燥や外部刺激をうけて水分量が低下しカサカサした状態になります。
乾燥や外部刺激により、このバリア機能が低下してしまうと皮膚はデリケートな状態になり痒みを引き起こしてしまい、皮膚病につながる可能性があります。
・飲水量が減ってしまう
長時間乾燥した環境にいると、脱水症状になる可能性があります。
水を飲まない日が数日続いていたり、尿の色がいつもより濃かったり、それに伴い食欲低下も起きていたら脱水症状や脱水による腎臓へのダメージが考えられますので注意が必要です。
また、腎臓病や心臓病の持病がある猫にとっては飲水量が減ってしまうことはとても危険ですので、湿度管理を徹底した上で飲水量がちゃんと確保できているかしっかりと観察する必要があります。
〜湿度が高すぎることによるトラブルとは〜
湿度が低すぎることによる猫へのトラブルをみて、湿度を高く維持しようと思う方もいるかもしれません。反対に湿度が高い環境化では、人間と同様に猫もジメジメとした感覚を覚えるだけでなく、体感温度も上がり不快感が増します。
また、湿度が高いことによるトラブルの方が猫にとっては命に関わることもありますので解説します。
また、温度湿度計を設置し加湿しすぎには注意してあげましょう。
・食欲低下
湿度が高いことにより、ジメジメした環境下はわたしたち人間にとっても不快に感じます。
猫は特にストレスに対しての感受性が高いので、湿度が高いと体調を崩すことがあり、それによる食欲低下がみられることもあります。
・皮膚病のリスク
湿度が高すぎることにより、カビや細菌が繁殖しやすい環境ができてしまいます。
また、ノミやダニなどの外部寄生虫が繁殖しやすくなりますので注意が必要です。
愛猫がいつもは気にしてない箇所を掻いていたり、声をかけてもその行動をやめない、または皮膚が赤くなっている症状が出ている場合は皮膚病の可能性があります。
・お腹をこわしてしまう
基本的に猫は、こまめに分けて食べる特性がある動物なのでごはんを常に置いているおうちもあると思います。
湿度が高いことにより、置きっぱなしのごはんに細菌が増殖してしまいお腹をこわしてしまう可能性があります。特に水分量が多いごはん(ウエットフード)を食べている場合は、その危険性が増しますので、注意が必要です。
・排泄スペースのニオイが強くなる
最近の猫トイレは、猫砂で防臭対策ができたり、ペットシーツの吸収性が高くなっているものも多いですが、湿度が高い環境では排泄物の中に含まれる微生物が活発になりニオイが強くなります。
ニオイが強くなることにより、猫はストレスを感じてしまいます。
・ぐったりして元気がなくなる
湿度が高いだけでなく、室温も高い環境下に猫が長時間いると、体温調節ができなくなり体に熱がこもってしまいます。
真夏にジメジメしている環境下にいることを想像してみるとわかるように、わたしたち人間でも熱中症になる可能性が非常に高く命に関わります。
特に猫の汗腺は肉球と鼻だけになりますので、体温を下げる能力は人間に比べて低いです。
もし、愛猫が口での呼吸(開口呼吸)をしている時はSOSのサインで非常に危険です。
猫の開口呼吸は、暑い時だけではなく体が危険な状態になっているサインにもなりますのでぜひ知っておいてください。
愛猫の健康を守るためにも加湿器は必要!加湿器の種類とは
前途にあげたように、加湿器を設置するだけではなく、愛猫が快適に過ごせる湿度を設定してあげることが重要です。
加湿器には、さまざまな種類がありますのでメリットとデメリットを理解してから使用しましょう。
加湿器は、大きく分けて5つのタイプに分類されます。
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①スチーム式(加熱式)
ヒーターによって水を加熱し、発生した蒸気によって加湿する加湿器になります。
メリットは、加湿力が高く加熱するため雑菌の繁殖はしにくいです。
デメリットは、吹き出し口から熱い蒸気がでるため、猫が舐めたり身体に触れたりすると火傷する可能性が非常に高いです。
②気化式
水を含んだフィルターにファンの風をあてて加湿する加湿器です。
メリットは、ヒーターレスで蒸気は放出されず消費電力が少ないので電気代を抑えたり、結露ができにくいです。
デメリットは、加湿力が弱く気化するためのフィルターの手入れや交換が必要です。また、製品によっては稼働時のファンの音が猫にとってはストレスになる可能性もあります。
③ハイブリット式(加熱気化式)
水を染み込ませたフィルターに、ファンから温風を当てると蒸気が出る加湿器です。
メリットは、気化式よりも加湿力が高く加熱により殺菌能力があり衛生的です。蒸気は出ないので、近づきすぎなければ安全に使用できます。
デメリットは、電気代がかかってしまうことや、構造が複雑なので本体価格が比較的高価です。
④超音波式
超音波振動で水を細かな水滴に変えて、発生したミストで加湿する加湿器です。
メリットは、小型な製品が多く比較的安価であり、ファンがないため稼働時の音は静かなものが多いです。
デメリットは、加熱式ではないため加湿器内に雑菌が繁殖しやすく、それを予防するためにこまめに手入れする必要があります。
また、超音波式加湿器を設置している場所の周囲がミストにより濡れたり汚れたり、猫がその水を舐めてしまう可能性もあります。
⑤加湿空気清浄機式
加湿器と空気清浄機が一体化したものになります。
メリットは、花粉やハウスダストを軽減しながら空気を綺麗にします。一定の湿度を維持し、加湿の際は蒸気も出ません。一体化しているので省スペースでも置き場所にも困らず、稼働音も設定によっては静音にもできるので、怖がる猫も少ないようです。
また、大きいサイズの製品が多いのでイタズラして倒してしまうまたは、上に乗ってしまう猫にとってはいいかもしれません。
デメリットとしては、加湿タンクやフィルターのこまめな手入れが必要になります。
愛猫の性格にあった加湿器を安全に使用できるのが一番ですが、スチーム式に関しては蒸気が直接吹き出し口から出て火傷をする危険性が高いので、あまりおすすめはできません。
また、最近は加湿器にアロマオイルなどを垂らして香りを楽しむものがありますが、猫にとっては安全性が確立されてないものが多いので使用は避けるようにしましょう。
加湿器の安全な使い方の詳しい説明は、以下の記事をチェック!
猫にとって加湿器は危ないの?安全に使用するコツやおすすめの加湿器を紹介
まとめ
日常生活を送る中で、湿度管理は健康を維持する上でも大切になります。
外気温にも左右されますので、室温や湿度をこまめにチェックしましょう。
加湿器を上手に使いながら、愛猫と快適な生活を送ってもらえたらと思います。
この記事が、少しでもお役に立てたら幸いです。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家