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「爪とぎ」や尿を噴射する「スプレー」は、猫のマーキング行動のひとつです。
マーキングが癖になってしまうと、家中の壁や家具を傷めてしまうため、頭を悩ませている飼い主さんも多いのではないでしょうか?
マーキングは同じ場所に何度も繰り返し行われるため、壁や家具はそのまま放置せず、早めに対策をとることが重要です。
今回は、マーキング癖がついてしまった猫から壁や家具を守るためのアイデアや、おすすめのアイテムをご紹介します。
猫のマーキングの種類とその意味
マーキング行動は、猫の所有権や縄張りを主張するほか、パートナーを探していることを他の猫に知らせるために行われるものです。
猫のマーキングには、主に次の3種類が挙げられます。
- 体をこすりつける「スリスリ」
- 爪を立ててバリバリ研ぐ「爪とぎ」
- 尿を噴射する「スプレー」
3つのマーキングのなかでも、特に飼い主を困らせるのが「爪とぎ」と「スプレー」ではないでしょうか?
それぞれのマーキングの意味は下記の通りです。
「スリスリ」のマーキングの意味
猫の額やあごの下などには「臭腺」と呼ばれるニオイを出す器官があり、家具や飼い主に臭腺がでる部分をスリスリと擦りつけてマーキングしています。
「爪とぎ」のマーキングの意味
猫の爪とぎは、武器となる爪のお手入れだけでなく、肉球からの臭腺による「視覚的」マーキングと、爪とぎ跡の「視覚的」マーキングがあります。
「スプレー(尿)」のマーキングの意味
スプレーとは、猫が尻尾を立てて垂直面に尿を噴射するマーキングのことで、去勢前のオス猫に多く見られるものです。
スプレー行為によるマーキング防止に最も有効なのは去勢手術で、約9割の猫に効果があるといわれています。
マーキング癖がついてしまったらどうする?
マーキング行動と思っていても、実はトイレ環境が悪いことによる粗相や、爪とぎをする場所がないための行動である可能性もあります。
まずは大前提として、トイレを必要数(猫の頭数+1個)を用意して、常に清潔な状態を保つこと。そして爪とぎアイテムを十分に準備しておくことが重要です。
それでもスプレー行為や爪とぎが頻繁にあるようでしたら、下記の方法を試してみてください。
猫が落ち着ける環境を整えてあげる
環境の変化でストレスを感じると、それまでマーキング行動をしていなかった猫でも、ある日突然マーキングをし始めることがあります。
- 部屋の模様替えをしたとき
- 他のペットを迎え入れたとき
- 飼い主に子どもが産まれたとき など
今までの環境が著しく変わってしまったときに、猫は自分のテリトリーを守るためにマーキングしてしまうケースがあります。
そのため、できるだけ猫にストレスを与えない環境にしてあげることが大切です。
どうしても避けられない場合には、猫専用の部屋を用意して、マーキングしても良い空間をつくるのももの方法のひとつです。
猫の気持ちを落ち着ける「フェロモン製剤」(詳細内容は後述)を取り入れてみても良いでしょう。
壁や家具を保護したり、素材を変える
一度マーキングをした場所には、何度も繰り返し行う傾向があります。
マーキングを防止するために、まずは染みついたニオイを徹底的に取り除きましょう。
特にスプレー行為によるニオイはとてもキツイので、家具や壁を保護するアイテムを活用したり、壁材そのものを変えたりする対策が必要です。
ここからは、猫のマーキング対策のアイデアを5つご紹介します。
猫のマーキング対策のアイデア5選
※ここでご紹介するアイデアは、猫の個体差により効果が異なります。
※商品の価格は、2023年11月現在のものです。
①市販のスプレーでマーキングを防止する
ひっかき防止スプレー(ヒッカキノン100)
猫が嫌がる「柑橘」「木酢(もくさく)」「山葵(わさび)」が配合されたスプレーです。
爪とぎされたくない場所に吹きかけて、ひっかきを防止します。
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フェロモン製剤(フェリウェイスプレー)
画像引用:ビルバックジャパン フェリウェイ スプレー 60ml
フェリウェイとは、猫のフェイシャルフェロモンの合成類縁化合物のこと。
猫の気持ちを落ち着かせ、スプレー行為や爪とぎの回数を減らす効果があります。
製造元はフランスのセバ社で、ネット通販のほか、動物病院でも購入できます。
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※在庫がなくなり次第終了(在庫終了後はセバ・ジャパン株式会社にて再販予定)
②壁や家具に保護シートを貼る
画像引用:Amazon.co.jp: BOOMIE【キャットブリーダー監修】はがせる壁保護シート
猫が壁に爪とぎをしてしまう場合には、保護シートを貼って対策をしましょう。
この「はがせる壁保護シート」は、その名の通り貼ってはがせるタイプなので、賃貸住宅でも安心して使用できます。
半透明で目立ちにくく、光を反射しないため、壁や家具に貼っても違和感がありません。
サイズは、「90cm×2.3m」「45cm×2.3m」「45cm×4.8m」「90cm×4.8m」の4種類です。
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③ソファにはカバーをかける
画像引用:【楽天市場】ストレッチ 2way生地 ワッフル ソファカバー
ソファは、必ずといっていいほど猫の爪とぎの餌食になってしまいます……。
筆者宅でも、つい最近ソファを新調しましたが(リビングに爪とぎ器が3つ以上あるにも関わらず)設置したその日からバリバリと爪とぎされてしまい、慌ててカバーをかけました。
いろいろ試してみましたが、ソファのマーキング防止には結局、ソファカバーが一番有効だと感じています。
ソファカバーをしておけば、たとえカバーがボロボロになっても(ソファ本体よりも)気軽に買い替えられるので安心です。
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④壁材を変える
壁へのマーキングが常習化しているケースでは、爪とぎしにくい素材やニオイがつきにくい素材の壁材に変えることをおすすめします。
一般的な住宅の壁材は、壁紙仕上げがほとんどです。
爪とぎやスプレー行為などで繰り返しマーキングが行われると、壁紙が剥がれ落ちたり、尿の染みや強い独特なニオイが残ってしまったりして、壁はボロボロな状態ですよね。
場合によっては壁紙などの仕上げ材だけでなく、下地材(石膏ボードなど)にまでキズやニオイが及んでいる可能性もあります。
ボロボロになった壁の美装はもちろん、マーキングのニオイを根本から排除する意味合いでも、壁材のリフォームは有効的です。
ペット用クロス
画像引用:FE76419 | サンゲツ
一般的なビニル壁紙よりも、引っかきキズに強い壁紙です。
爪とぎによるマーキングに効果があります。
抗菌性に優れており汚れも落としやすいため、猫や犬などのペットを飼っているご家庭にぴったりの壁材です。
上記の写真のデザイン以外にも、色や柄のラインナップが充実しているので、インテリアに合わせてお好みの壁紙を選べます。
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セラール(壁面化粧パネル)
画像引用:不燃化粧板・3mm厚(セラール) | アイカ工業株式会社
爪とぎやスプレー行為の両方に効果的なのが、アイカ工業の「セラール(不燃化粧板)」です。
表面が固いためキズや汚れがつきにくく、木目調や石目調、タイル調などデザインのバリエーションも豊富。
汚れがついてもサッと拭き取るだけでキレイになり、清掃性にも優れていることから、公共施設のトイレでも多用される素材です。
一般住宅ではキッチンの壁面に使われることが多いため「キッチンパネル」とも呼ばれます。
壁面全体に施工すれば言うことなしですが、猫がマーキングする高さに合わせて「腰壁」として設置するのがおすすめです。
壁紙との組み合わせで、インテリアの幅も広がります。
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セラール消臭タイプ
画像引用:セラール消臭タイプ 石目・木目 | アイカ工業株式会社
上記でご紹介したセラールの中でも、スプレー(尿)によるニオイ対策にはこの「セラール消臭タイプ」がおすすめ。
尿のニオイのもとであるアンモニアなどに高い性能データが得られており、病院や介護施設、トイレの壁面などに推奨されている壁材です。
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エマウォール
画像引用:ホーロー内装材 エマウォール インテリアタイプ(マグネットウォール) | タカラスタンダード
鉄とガラス質でできたホーロー素材の壁材で、表面が固くツルツルしており、爪とぎ防止に効果的です。
スプレー行為による尿の飛び散り以外にも、たばこのニオイもシャットアウトしてくれるため、リビングや玄関、トイレ、書斎などさまざまな部屋に対応しています。
子どものお便りを貼るマグネットウォールとして使用したり、ホワイトボード(伝言板)で文字を書き込んだりと、幅広く活躍してくれます。
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エコカラット
消臭効果が非常に高い壁材です。
表面の超微細構造層により、ペットやタバコ、生ごみ、トイレなどの悪臭の原因となる成分を吸着し、気になるニオイを脱臭・軽減。
無数の穴が余分な湿気を吸収し、空気が乾燥しているときには湿気を放出する「調湿効果」も備えています。
意匠性にも優れ、部屋のアクセントウォールにも最適なので、猫との快適な暮らしとインテリア性を両立させたい方におすすめです。
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ここでご紹介した壁材にリフォームする際は、お近くの工務店やハウスメーカーに相談してみてくださいね。
⑤脱臭機を使用する
前述しましたが、猫はニオイがある場所に何度もマーキングしてしまうため、ニオイを取り除くことが大切です。
そこでおすすめなのが、サンスターの「QAIS(クワイス)-air- H04A2J」。
一般的な脱臭機は置き型タイプが多いのですが、「QAIS(クワイス)-air- H04A2J」は壁面に取り付ける仕様で、上へ上へとあがっていくアンモニア臭を素早くキャッチしてくれます。
詳しくは下記の記事でご紹介しています。
関連記事:【猫と暮らす家づくり】複数あるトイレスペースにおすすめ!スタイリッシュな脱臭機の新モデル「QAIS-air- H04A2J」
【注意】コンセントにも気を付けよう!
画像引用:Amazon.co.jp : 山崎実業(Yamazaki) コンセントガード
猫が壁にスプレーをすると、壁の低い位置にあるコンセントに尿がかかり、ショートしてしまう恐れがあります。
火災を引き起こす可能性もあるため、大変危険です。
マーキング癖のある猫を飼っているご家庭では、リフォームの際にコンセントの位置を変更することも検討してみてください。(推奨:床面から50cm以上の高さ)
コンセントカバーを設置すれば、リフォームをしなくてもお手軽にコンセントを保護できます。
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まとめ:家の中の環境を整えて、猫のマーキングと向き合おう
猫のマーキングは、一度始まってしまうと止めさせるのに大変苦労します。
一番の対策は、発情期前の去勢手術です。
ストレスなどの精神的な問題が原因となっている場合もあるため、猫の様子をみながら対策しましょう。
爪とぎやスプレー行為によるマーキングは、ひどくなると家の快適性にも支障をきたしてしまうため、壁材を変えるリフォームもぜひ検討してみてくださいね。
飼い主と愛猫それぞれが、健やかで快適に暮らせる環境づくりをしていきましょう。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家