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「猫は高いところから落ちても平気」
そう考えて、ベランダやバルコニーで猫を遊ばせている飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際には高い場所から転落してケガをしてしまう猫も大勢います。
また、転落がきっかけでそのまま脱走してしまう恐れも……。
今回は、ベランダから猫が落下しないための対策と、転落・脱走防止に役立つおすすめのアイテムについてご紹介します。
好奇心旺盛な猫にとってベランダやバルコニーは魅力的な場所
猫が野生の頃には、狩りのときに木に登って獲物を見つけていたり、外敵から逃れるために高い場所に避難したりしていました。
その名残りで、猫は高いところが大好きです。
特に、外の景色を直接確認できるベランダやバルコニーは、猫にとって好奇心をくすぐられる魅力的な場所です。
しかし、足を滑らせてしまうなど何らかのアクシデントにより、転落してケガをしてしまう危険もあります。
猫は高いところから落ちても平気なの?
高いところから落ちても上手に着地するのは「三半規管」が強いから
猫は、他の動物に比べて平衡感覚がとても優れています。
非常に発達した三半規管により、空中で上下方向と自分の今ある体勢(どの方向を向いているのか)を瞬時に把握。
顔→上半身→下半身の順に身体をひねって、着地に備えた姿勢をとることができます。
そのため、ケガをすることなく上手に着地できるのです。
しかし、地面までの距離があまりにも高すぎたり、逆に低すぎる場合には、着地に失敗してケガをしてしまう恐れがあります。
2階から落ちて亡くなる猫もいる
猫はどれくらいの高さなら、落ちてもケガをしないのでしょうか?
「一般住宅の2階程度(2.5mほど)の高さならケガなく着地できる」とも「6~7mまでなら大丈夫」とも言われていますが、猫の運動能力や健康状態、落下した場所など、諸々の条件によって異なります。
実際に、2階から落ちて亡くなってしまう猫も少なくありません。
「〇〇mの高さだから絶対大丈夫!」ということはないのです。
仮にケガなく無事だったとしても、落下したことに驚いてパニックになってしまい、脱走してしまうことは容易に想像できます。
転落によるケガや脱走を防ぐために、ベランダやバルコニーには落下防止の安全対策が必須です。
フライングキャットシンドローム(猫高所落下症候群)が増えている
近年、高層マンションのベランダなどから落下してしまう「フライングキャットシンドローム(猫高所落下症候群)」による事故が増えています。
「フライングキャットシンドローム(猫高所落下症候群)」とは、猫が2階以上の高い場所から突然飛び降りてしまう病態のことを指し、「ハイライズ症候群」と呼ばれることもあります。
この症状は、一度きりではなく何度も繰り返してしまうため「症候群」と名がついています。
外の環境に気を取られていたり、高さが認識できていなかったり、足元が滑ってしまったり……。
さまざまな理由が考えられていますが、はっきりとした原因については未だ解明されていません。
不慮の事故を防ぐためにも、しっかりした対策を取りましょう。
ベランダやバルコニーには、必ず転落・脱走防止対策を!
猫の転落事故を防ぐための一番の対策は、猫をベランダやバルコニーに近寄らせない(遊ばせない)ようにすることです。
具体的には次の4つの方法があります。
対策①:去勢・避妊手術をする
猫は去勢・避妊手術をすることで、行動範囲が狭くなります。
手術前に比べると、家の外にいる野良猫などの気配も気にならなくなるため、ベランダやバルコニーに向かう頻度を減らすことができます。
我が家の猫たち(特にオス猫の小次郎)も、手術後はベランダに関心を示すことが少なくなりました。
今では、外で野良猫がケンカする声が聞こえても、平気な顔をしてくつろいでいます。
猫の去勢・避妊手術については、下記の記事で詳しく解説しています。
≪関連記事≫【体験談】猫の避妊・去勢手術の時期や費用、病院の選び方や術後のケア
対策②:ドアや窓、網戸を開けっ放しにしない
基本的なことではありますが、ドアや窓、網戸など家の開口部を開けっ放しにしないことが大切です。
部屋の換気のために窓を開けることがある場合には、必ず網戸をして、猫が自分で出て行ってしまわないように隙間をつくらないようにしましょう。
それでも、人間誰しも「うっかりミス」はつきものです。
「閉めたつもりだったのに、窓が開いていて猫が逃げてしまった……!」ということにならないために、役立つアイテムをご紹介します。
ベランダ(バルコニー)の出入口である掃き出し窓におすすめ
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掃き出し窓(窓の下端が床まである窓)には、高さのある脱走防止フェンスがおすすめです。
引き違い窓の片側部分に設置しておけば、フェンスを取り付けた側の窓は換気の際に開けておくことができます。
この商品は、スチールネットを重ねて設置するタイプで突っ張り棒で取り付けられるため、窓のサイズに合わせて自由に調整できます。
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腰窓からの転落を防ぐには、こちらの商品がおすすめ
画像引用:ねこ専用脱走防止窓【にゃんがーど】
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最近の新築住宅では、ベランダやバルコニーのないおうちも増えてきていますよね。
腰窓の建具枠に乗って、外の景色を楽しんでいる猫ちゃんも多いのではないでしょうか?
(我が家の猫たちもよくやっています)
しかし、しっかり窓を閉めていないと、網戸が破れたり外れたりして転落してしまう恐れがあります。
そこでおすすめなのが、腰窓用の脱走防止窓です。
オプションパーツの「日向ぼっこ台」を設置すれば、転落の危険もなく安全に“ニャルソック”できます。
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対策③:ベランダ・バルコニーのある部屋に入らせない
画像引用:ねこ専用脱走防止扉【にゃんがーど】
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ベランダやバルコニーのある部屋の入口前に脱走防止扉をつけることで、部屋自体に入れないようにする方法もあります。
この商品は天井と床を突っ張って固定するタイプで、壁や床に穴をあける必要もなく、賃貸住宅でも安心です。
廊下に設置して空間自体を区切ることができるため、ベランダやバルコニーへの対策だけでなく、玄関からの脱走も防ぐことができます。
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対策④:手すりに「落下防止ネット」を設置する
画像引用:【楽天市場】階段 手すり用 安全ネット 転落防止ネット
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転落や脱走を防ぐためには、ベランダやバルコニーに猫を出さないことが重要ですが、それでもベランダに侵入してしまう可能性はゼロではありません。
好奇心旺盛な猫ちゃんの場合、飼い主さんがベランダで洗濯物を干している隙を狙って出てきてしまうことも考えられますよね。
万が一の事態に備えて、ベランダやバルコニーの手すり部分に「落下防止ネット」を設置しておきましょう。
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※ネット取り付け部材は別売りです。
転落・脱走防止対策をするときの注意点
転落・脱走防止のアイテムを取り入れる際には、次の3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント①:採光&通気性の良いものを選ぶ
ベランダやバルコニー周辺は、家の中に日の光を取り入れたり、換気をしたり、洗濯物を干したりと、家の機能面で重要な役割をもっています。
転落・脱走防止の対策をする際には、家の快適性を邪魔しないよう、採光や通気性を考慮した「格子タイプ」を選びましょう。
特に縦格子にすれば、猫がよじ登るのを防げるのでより安全です。
ポイント②:高さは1.5m以上のものを選ぶ
猫は自分の体長の5倍の高さまでジャンプすることができます。
1.5m程度ならジャンプで飛び越えられてしまうため、転落・脱走防止対策の際には1.5m以上の高さまでカバーできる商品を選びましょう。
ポイント③:格子の隙間は40mm(4cm)以下
せっかく転落・脱走防止対策のアイテムを設置しても、猫にくぐり抜けられてしまっては意味がありません。
特に子猫は、私たちが思っている以上に小さな隙間でも入ることができてしまいます。
子猫でも簡単に脱走できないように、格子の隙間は40mm(4cm)以下のものを設置しましょう。
まとめ:「高いところが好きな猫」だからこそ、安全対策は万全に!
猫の室内飼いが主流になりつつある昨今、家の中での安全対策は、猫と暮らす飼い主にとって避けては通れない課題です。
「(高いところが平気な)猫なら大丈夫だろう」と過信せず、猫が安心して暮らせる環境を整えてあげたいものですね。
猫の好奇心を邪魔することなく、そして飼い主にとっても快適に過ごせるよう、ベランダやバルコニーの安全対策を徹底しておきましょう。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家