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大きなぬいぐるみのような見た目に、穏やかな性格を持つと考えられている大型犬は、ペットとして人気があります。その可愛らしい見た目に、「家族として迎えたい」と考えたことがある方は多いのではないでしょうか。大型犬を室内で飼育する場合は、事前に室内の環境を整えておく必要があります。
本記事では、大型犬を初めて飼育する方に向けて、
・室内の環境づくり
・大型犬を迎える前に考えておくこと
・室内で飼いやすい大型犬
など「大型犬を飼育するうえで大切なこと」を紹介します。
大型犬を室内で飼育するための環境づくり
大型犬を室内で飼育する場合、事前に大型犬でも快適に過ごせるような環境づくりをしておくことが大切です。事前準備を怠ると、愛犬にケガをさせたり、不自由な思いをさせたりする可能性があります。犬を早く迎えたいと焦る気持ちになってしまいますが、まずは自宅の環境を見直しましょう。
ここでは、大型犬を迎える際にチェックしたい項目を4つ紹介します。
飼育スペース
大型犬を室内飼育する場合には、寝る場所だけでなく、トイレや遊ぶスペースも必要になるので、ある程度の広い場所を確保することが大切です。ここでは、寝床やトイレに必要なスペースの目安を紹介します。寝床やトイレに必要なスペースを考えたうえで、愛犬と一緒に遊ぶ場所なども考慮して、事前に必要な飼育スペースを確保しておきましょう。
・寝床
愛犬の寝床として、ケージやサークルを準備しましょう。用意するケージやサークルは、犬が寝転んで足を伸ばしても余裕のある大きさが理想です。日頃からケージやサークルに慣れておくと、飼い主の留守中や来客時など、ケージやサークルで待つ必要があるときに、問題なく入ることができます。ケージやサークル内にトイレを置く場合は、トイレトレーが入って、犬が不自由しないほどの大きさが必要です。
愛犬の寝床として、犬用のベッドを用意するときは、ケージやサークルと同様に、犬の体に対して余裕があるものを選びましょう。
3通りの使い方ができるペット用のサークルです。サークル以外に部屋の仕切りやゲートのように使用できます。高さが90cmあり、大型犬でも使える商品です。
・トイレ
室内にトイレを設ける場合、ある程度の広さを確保する必要があります。トイレの大きさは、愛犬が成犬になったときに、体より一回り大きいモノが理想です。また、オス犬を飼育する際には、足をあげて排泄する可能性があるため、壁に防水シートを貼ったり、L字型のトイレトレーを準備するとよいでしょう。
大型犬でも使用できる大きいサイズのトイレトレーです。メッシュカバーが付いており、トイレシーツへのいたずらを予防できます。カバーは取り外しができるため、汚れたときのお手入れも簡単です。
床
大型犬は、先天的に「股関節形成不全」という疾患を抱えていることがあります。滑りやすい床は、犬の足腰に負担がかかり、ケガの原因となります。愛犬の足腰に負担がかかり続けることを予防するためには、床が滑らないような工夫が必要です。
・滑りにくいマットやカーペットを敷く
犬の飼育スペースには、マットやカーペットを敷いて、滑らないようにすることが大切です。汚れたときに、すぐに掃除できるように、毛足が短く、洗濯もできる敷物を選びましょう。
また、手軽に汚れた部分だけきれいにしたい場合は、「ジョイントマット」がおすすめです。ジョイントマットは、汚れた部分だけ取り外し、簡単に新しいマットに交換できます。
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・フローリングには、ペット用のワックス
ペット用のワックスは、犬が舐めても安全な成分でできています。ワックスを塗ることで、滑りにくくなるため、大型犬が走り回っても滑ることがありません。また、フローリングにキズが付きにくくなり、ツヤ感を維持できます。愛犬が生活するスペース全てに、マットを敷くのが難しい時はおすすめです。
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・犬用のフローリングやタイルに貼りかえる
キズが付きにくく、滑りにくい加工が施された犬用のフローリングやタイルに張り替えるという方法もあります。床材そのものに加工が施されているので、敷物やワックスは必要ありません。耐水性に優れたモノもあり、床をきれいに保つことができます。
施工費はかかりますが、安全性が高く掃除も簡単にできるので、上記2つの方法よりメリットが多いと言えるでしょう。
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壁
大型犬は、壁紙にいたずらすることがあります。特に子犬の時期は、好奇心旺盛でなんでも噛みたがります。小型犬がいたずらするよりも、被害が大きくなるので、いたずらする前に壁を破壊されないような対策が必要です。
・犬に破壊されにくい壁紙を選ぶ
裏地がフリースになっている輸入品の壁紙は、通常の壁紙よりも耐久性が高いのが特徴です。色柄も豊富にあり、おしゃれな壁紙にしたいという方におすすめです。
また、ペット用の壁紙も販売されています。消臭効果と除菌効果を持つモノもあり、気になるペット臭を軽減できます。
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・高さのある腰壁を設置する
腰壁とは、床から人間の腰ほどの高さまで張る壁材のことです。元々貼ってある壁紙の上から貼り付けるため、壁紙を汚れや傷から守ることができます。腰壁を貼ることで、大型犬が引っかいたり噛んだりしても、傷が付きにくくなります。
腰壁には、木材だけでなく、タイルや樹脂製パネルなどさまざまな種類があります。色やデザインも豊富にあるため、自分好みのモノを施工してもらうことができます。
空調
大型犬は、暑さに弱い犬種が多いという特徴があります。そのため、暑い日には、冷房での温度管理が必要不可欠です。また、寒さに強い犬でも、氷点下を下回るような気温になる地域では、暖房器具が必要になる場合もあります。犬を飼育するには、エアコンなどの空調設備を設置するようにしましょう。
犬の適温は、犬種によっても異なりますが、一般的に20度前後と言われています。湿度も50~60%が理想とされており、室内の環境によっては、除湿器や加湿器が必要になる可能性もあります。
大型犬を迎える前に考えておくべきこと
大型犬を迎える前に、本当に家族として迎えることができるか考えておく必要があります。大型犬を飼育するうえで、事前に考えておきたいことを4つ紹介します。
成犬になったときの体の大きさ
大型犬は、成犬になるとどのくらいの体の大きさになるのかを事前にイメージしておくことが大切です。体の大きさをイメージできると、必要な飼育スペースなど、家の中の環境を整えやすくなります。また、飼育用品を揃えるときに、大きさの参考にもなります。
体の大きい犬は、力が強く散歩中に引っ張られてしまうことがあります。また、体が大きい分、抜け毛も多く、換毛期にはブラッシングをしても、部屋の中に抜け毛が落ちているということもよくあります。体が大きい大型犬を飼うと、どのようなことが大変に感じるかを事前に考えておくことも重要です。
お金と時間に余裕が必要
・お金について
大型犬は、小型犬に比べて食費や医療費、飼育用品が高額になります。犬種によって違いはありますが、毎日1kg以上のフードを食べる犬もいます。質の良いフードを与えようとすれば、食費は高額になります。
また、大型犬には、胃捻転や股関節形成など大型犬特有のかかりやすい病気があります。胃捻転とは、食後に激しい運動などをすることで、胃がねじれてしまう病気です。股関節形成不全とは、股関節に発育異常がみられ、歩行の際に痛みが生じる病気です。どちらの病気も、手術が必要になった場合、治療費が高額になります。
・時間について
大型犬は、毎日運動する時間を確保する必要があります。小型犬より運動量が必要で、1日に1時間以上の散歩が必要な犬もいるようです。
また、大型犬は小型犬より体が大きいため、ブラッシングやシャンプーなどに多くの時間が必要です。毎日の愛犬のお世話に、時間を割くことができるか、大型犬を迎える前に考えておきましょう。
介護が必要になる場合がある
大型犬は、老犬になると足腰が不自由になる犬もいます。自分で立てなくなると、排泄などには飼い主さんの介護が必要です。大型犬の体重は、20kg以上あることが多く、飼い主にとって負担になるでしょう。
また、認知症のような症状が出て、夜中に吠えたり、家中を徘徊したりといった行動も見られる可能性があります。愛犬に介護が必要になるころに、飼い主が最後までお世話ができる体力があるか考えてから、大型犬を飼い始めることが重要です。
しっかりとしつけを行えるかどうか
室内で大型犬を飼う場合、いたずらや無駄吠えなどのしつけをしっかり行うことが必要です。しつけができていないと、大型犬の吠え声は大きいため、近所迷惑になる可能性があります。特に賃貸マンションで飼育する場合は、注意しましょう。
また、来客があったときに、飛びつきや噛みつきをしないようにするしつけも大切です。大きく力のある大型犬に飛びつかれると、ケガをする可能性があります。まだ小さいからと甘やかさずに、子犬の頃からしっかりとしつけをしましょう。
室内でも飼いやすい大型犬
大型犬の中には、元々持っている性格や習性によって、しつけにコツがいる犬種がいます。大型犬がすべて穏やかで優しいという訳ではないので、大型犬を飼育する際には、事前にどのような性格なのか調べてから犬種を選びましょう。
ここでは、大型犬のなかで、比較的室内で飼育しやすい犬種を3種類紹介します。
ラブラドール・レトリーバー
ラブラドール・レトリバーは、垂れ下がった耳に短い被毛を持つ犬種です。日本では、盲導犬としてよく知られています。性格は温厚で、人や犬に友好的に接することができます。知能も高いため、しつけもしやすい犬種と言えるでしょう。
ラブラドール・レトリーバーは、猟犬としても活躍していたことから、運動量の多い犬種です。ボール遊びなど、何か動くモノを追いかける遊びを好む傾向にあります。毎日運動できる時間をしっかり確保しましょう。
体高は約54~57cm、体重は約30kg前後です。毛色は、ブラック・チョコ・イエローの3種類があります。
(引用:ジャパンケネルクラブ)
ゴールデン・レトリーバー
ゴールデン・レトリーバーは、垂れ下がった耳にウェーブのかかった長い被毛を持つ犬種です。穏やかでどんな人にも友好的に接することができます。ただし、ラブラドール・レトリーバーよりも、やや頑固な一面もあるため、飼い主がしっかりリーダーシップを取る必要があります。
ゴールデン・レトリーバーも、猟犬として活躍していたため、非常に活発です。おもちゃなどを探して持ってくることが好きなので、日常の遊びに嗅覚を使った遊びを取り入れるとよいでしょう。
体高は約51~61cm、体重は30kg前後です。毛色はイエローのみですが、イエローのなかでも白に近い色やハチミツのように黄色が濃い色などがあります。
(引用:ジャパンケネルクラブ)
スタンダード・プードル
トイプードルよりも体の大きな犬が、スタンダードプードルという犬種です。性格は、穏やかで飼い主に対しての忠誠心が強いとされています。とても賢く、しつけのしやすい犬です。
スタンダードプードルも毎日の運動が必要な犬種です。アジリティ競技などに出るほど、運動神経がよいという特徴があります。運動不足になるとストレスが貯まりやすいため、注意しましょう。
体高は約45~60cm、体重は20kg前後です。毛色は、単色のみですが、ブラック、ホワイト、ブラウン、グレーなど豊富な種類があります。
(引用:ジャパンケネルクラブ)
まとめ
今回は、大型犬を飼育する際の環境づくりや事前に考えておきたいこと、飼育しやすい犬種を紹介しました。
大型犬は、遺伝的に股関節が弱い犬もいるため、床が滑らないようにしっかり対策が必要です。また、壁も破壊されないように、腰壁などで対策することをおすすめします。
大型犬は、小型犬より体が大きくなります。そのため、食費や医療費など、飼育に必要な費用は、小型犬を飼育するときより多くなります。また、散歩やブラッシングに多くの時間がかかります。
事前にお金や費用のことを考えて、室内の環境を整えてから、大型犬を家族として迎えましょう。
この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
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