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今年も夏がやってきました!近年の夏は私たち人間にとって過酷な暑さですが、それは愛犬・愛猫たちにも当てはまるはず……。ペットと安全に夏を乗り切るためには、一体どんなことに気をつければ良いのでしょうか。知っておきたい犬・猫の特徴や病気を防ぐための対策、住まいのつくりかたについて、獣医師と建築家の先生に伺いました。 取材・文/安藤小百合
獣医師・鷺島祥子先生
大学卒業後、都内の動物病院にて3年勤務した後、アイペット損害保険株式会社へ入社。同社ウェブサイトの「ペットと私の暮らしのメモ」では、愛犬・愛猫を健やかに育てるための飼い方や、病気・症状、お金にまつわる知識などを連載している。
犬は舌を出してハアハアと呼吸(パンティング)することで体温を下げますが、短頭種はその頭の特性から呼吸が上手くできず、体温調整も苦手です。短頭種以外にも、心臓や呼吸器系の病気がある犬、シニア犬、肥満犬にも同じことが言えます。
体に負担が多い夏には、病気になる可能性も潜んでいます。特に多いのは、熱中症、皮膚炎、外耳炎。高温の中で長時間放置されて傷んだ食事を食べてしまい、食中毒になることもあります。
このように夏は心配が多い季節ですが、飼い主が正しい知識を身につけてしっかり対策をすれば、安全・快適に過ごすことができます。
それでは夏にかかりやすい病気の概要と対策を見ていきましょう。
(※)短頭種:比較的鼻の短い犬のこと。鼻がつぶれているような頭つきで「鼻ペチャさん」の愛称で親しまれている。代表的な犬種は、ブルドッグ、ボストン・テリア、パグ、シー・ズー、チン、ボクサー、キャバリアなど。
屋外だけでなく、室内や車内でなることも。お留守番中は特に要注意。呼吸が荒い、体が熱い、よだれが多い、ソワソワと落ち着かない、朦朧と歩き回るのは熱中症のサイン。脇の下や内ももを冷やしつつ、すぐに病院へ。
皮膚炎
人間にあせもが増えるように、夏場は犬・猫にも皮膚トラブルが起こりやすい。皮膚には正常な状態でも細菌がすみついており、梅雨や夏などのジメジメした時期は特に細菌が活発になることが原因。特に犬に多く見られる。
外耳炎
皮膚炎と併発しやすい。耳垢がベタベタ、臭いがきつい、耳をかく、頭を振る仕草をするのは外耳炎のサイン。
食中毒
長時間置きっぱなしで傷んだご飯を食べてしまい、お腹を壊すことも。特にマイペースに食事する猫に多い。
夏は、蚊が媒介して感染する「フィラリア症」の心配もあります。予防薬の投与を毎年欠かさずに行いましょう。
人と同じように、犬・猫もハウスダストやダニ、花粉にアレルギーがある子もいます。暑い時期は特にノミも活発に行動するので、あらかじめ予防薬を飲ませるのはもちろん、室内を抗菌するなどの対策をしておきましょう。
ちなみに、猫がなかなか水を飲んでくれないときは給水方法を工夫してみましょう。器の水は飲まなくても、蛇口から流れる水や噴水のように湧き出る水なら飲む場合があります。
知っておきたい!犬・猫にとって夏はどんな季節?
獣医師・鷺島祥子先生
大学卒業後、都内の動物病院にて3年勤務した後、アイペット損害保険株式会社へ入社。同社ウェブサイトの「ペットと私の暮らしのメモ」では、愛犬・愛猫を健やかに育てるための飼い方や、病気・症状、お金にまつわる知識などを連載している。
犬・猫は暑さが苦手!病気の可能性も多く潜む
まず覚えておきたいのは、ワンちゃんやネコちゃんは基本的に暑さに弱い動物ということ。体が毛に覆われている上に、人間のように汗をかいて体温を下げることが上手くできないからです。それにも関わらず、低い位置で生活しているので地面からの照り返しを受けやすく、人間よりもずっと暑い空気にさらされています。犬・猫にとって、夏は過ごしにくい季節なのです。ワンちゃんの中には特に暑さが苦手な子もいます。その代表は「短頭種(※)」。犬は舌を出してハアハアと呼吸(パンティング)することで体温を下げますが、短頭種はその頭の特性から呼吸が上手くできず、体温調整も苦手です。短頭種以外にも、心臓や呼吸器系の病気がある犬、シニア犬、肥満犬にも同じことが言えます。
体に負担が多い夏には、病気になる可能性も潜んでいます。特に多いのは、熱中症、皮膚炎、外耳炎。高温の中で長時間放置されて傷んだ食事を食べてしまい、食中毒になることもあります。
このように夏は心配が多い季節ですが、飼い主が正しい知識を身につけてしっかり対策をすれば、安全・快適に過ごすことができます。
それでは夏にかかりやすい病気の概要と対策を見ていきましょう。
(※)短頭種:比較的鼻の短い犬のこと。鼻がつぶれているような頭つきで「鼻ペチャさん」の愛称で親しまれている。代表的な犬種は、ブルドッグ、ボストン・テリア、パグ、シー・ズー、チン、ボクサー、キャバリアなど。
夏にかかりやすい病気
熱中症屋外だけでなく、室内や車内でなることも。お留守番中は特に要注意。呼吸が荒い、体が熱い、よだれが多い、ソワソワと落ち着かない、朦朧と歩き回るのは熱中症のサイン。脇の下や内ももを冷やしつつ、すぐに病院へ。
皮膚炎
人間にあせもが増えるように、夏場は犬・猫にも皮膚トラブルが起こりやすい。皮膚には正常な状態でも細菌がすみついており、梅雨や夏などのジメジメした時期は特に細菌が活発になることが原因。特に犬に多く見られる。
外耳炎
皮膚炎と併発しやすい。耳垢がベタベタ、臭いがきつい、耳をかく、頭を振る仕草をするのは外耳炎のサイン。
食中毒
長時間置きっぱなしで傷んだご飯を食べてしまい、お腹を壊すことも。特にマイペースに食事する猫に多い。
夏の病気を防ぐには 必ずやっておきたい7つの対策
1.エアコンは常時ON!
夏場は必ずエアコンをつけて、室内を涼しく保ちましょう。光熱費を気にして外出時はエアコンをつけない家が多いですが、想像以上に室温が上がり、お留守番中の犬・猫には苦痛です。「窓を開けたり、扇風機をつけたりすれば大丈夫だろう」と考える飼い主も多いですが、それでは全然涼しさが足りません。一般的にエアコンの温度設定は22〜26℃が良いと言われていますが、犬種や猫種によって心地よい温度は異なります。室内にあたたかいベッドとひんやりマットを両方置くなど、犬・猫が体調や気分に合わせて場所を選べるようにしましょう。2.散歩は必ず涼しい時間に 地面が熱くない散歩コースを選ぶ
熱中症を防ぐために、夏場の犬の散歩は必ず涼しい時間を選びましょう。早朝5時くらいから散歩する人も多いですが、犬にとってはそれでも暑いくらいです。また、熱くなったアスファルトの上を歩いて肉球を火傷することもあるので、散歩コースはなるべく芝生や土の道を。散歩中の水分補給も忘れずに。夏は、蚊が媒介して感染する「フィラリア症」の心配もあります。予防薬の投与を毎年欠かさずに行いましょう。
3.除湿機で湿気をコントロールする
家の中で犬・猫が皮膚トラブルを引き起こす原因は「湿気」です。ジメジメしがちな家は、除湿機を使って湿気をコントロールしましょう。人と同じように、犬・猫もハウスダストやダニ、花粉にアレルギーがある子もいます。暑い時期は特にノミも活発に行動するので、あらかじめ予防薬を飲ませるのはもちろん、室内を抗菌するなどの対策をしておきましょう。
4.水飲み場をたくさん設置しご飯と水はこまめに替える
ネコちゃんがいる家は、猫の通り道に水飲み場を数カ所設置しましょう。猫の先祖は砂漠で生活していた動物なので、本来はあまり水分をとらなくても生きていける体質。とは言え、水分不足は熱中症や泌尿器疾患につながりますから、少しでも多く飲ませたいものです。動線以外も場所に水を置いてもわざわざ飲みに行かないので、移動ついでにサッと飲めるよう動線上に点在させるのが効果的。水温は常温でOKですが、食中毒防止のために水もご飯もこまめに入れ替えましょう。ちなみに、猫がなかなか水を飲んでくれないときは給水方法を工夫してみましょう。器の水は飲まなくても、蛇口から流れる水や噴水のように湧き出る水なら飲む場合があります。
5.犬用のクールアイテムを活用する
散歩時に犬用のネッククーラーやクールウェアを着せてあげることも熱中症の予防に効果的です。特に毛が少ない犬や毛がない犬(ヘアレスドッグ)は皮膚に直接紫外線が当たってしまうので、UVカットウェアなどで対策が必須です。6.サークルは涼しい場所に置く
サークルやクレートは風通しの良い場所に置きましょう。日光が当たる窓辺は温度が上がってしまうのでNG。やむを得ず窓辺に置く場合は、遮光カーテンなどをつけて直射日光が当たらないように工夫してください。涼しいと言ってもエアコンの風が直接当たるのは体に悪いので、エアコン直下は避けましょう。7.ペット家電を活用する
近年は、自動給水器、お留守番中の様子をスマートフォンから見守れるペットカメラ、カメラ搭載の自動餌やり機など、不便や不安を解消してくれるハイテク家電が続々登場しています。安心・安全で快適なペットライフを送るために、このようなグッズも積極的に取り入れてみると良いでしょう。この記事を書いたペットとの暮らしの専門家
AMILIE 愛犬・愛猫家とくらす住まいの専門家
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